「鬼門」」を「なかったことにする」

2012.01.07

「御所」の塀に沿って東へ進む。塀の側には小さな流れを作る側溝があるが、ここに近づき過ぎてはいけない。塀に落書きをする不届き者に注意を促すための警報装置が作動し、大きなベルとアナウンスが響き渡るからだ。「自転車道」の横辺りを進み、塀が切れるところまで来たら、少しだけ南に折れ、塀の上の方に目を凝らしてみよう。そこに一匹の「猿」が居るのがわかるだろうか。ちょうどここが「御所」の東北の隅にあたり、京都人が忌み嫌う「鬼門」になる。

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平安京以来、京の都人は、怨念、悪霊といったものに対する畏れから、「方角」には随分と気を使ってきた。それは庶民のみならず、公家貴族も同じだったと見え、その一例がこの「御所の鬼門」。「御所」の四隅は全て鋭角な塀で囲まれるが、唯一この東北の角だけは塀をくぼませて、「角がない」ように見せている。つまりは「鬼門」を「なかったことにする」のだ。だけでなく、塀の上に魔除けの猿を配して、魔物の襲来から護るために万全を期しているのだ。