満ち足りたケース

2012.01.07

一二月の初旬。前の座席の背もたれからテーブルを引き出し、最近、駅のコンコースにできた老舗の味土産コーナーで求めた「いづう」の鯖姿寿司(一人前二一〇〇円)を置く。「京都、楽しかったですね。食事は安くて美味しいし、素晴らしい紅葉も見られたし。それに意外なほど空いてましたしね。一二月にこんなに紅葉が綺麗だなんて思ってませんでしたわ。又今度、絶対行きましようね」と、包みを解きながら満面の笑みで問いかける妻に、この旅行を計画した夫は、わざと鷹楊に構え、一刻も早く鯖寿司を摘みたいという気持ちを抑えて、「うむ。

(参考)
会津若松ワシントンホテル - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad331992/

みなとみらい駅のホテル - じゃらんnet
http://www.jalan.net/hotel/140000/STA_044502/

上高地ホテル - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad348520/

お前がそう思うんだったらまた、行ってもいいな」と満足げに大きく頷く。「あのお昼。本当に美味しかったですねえ。あれで三〇〇〇円ちょっとだなんて、信じられないくらい安かったですわね」。鯖寿司を頬張りながら、いかにも満足げに妻が旅行を振り返る。「まあ、あれだな。今回の京都は、あの店につきるな。俺の勘があたったってことだ。あの予約のときの電話の応対で確信したもんな、いい店に違いないって」。夫は自慢げに胸を張り、鯖寿司を食べた後の指先を紙ナプキンで拭い、妻は食べ終えた包みを袋に仕舞って足許に置き、満ち足りた気持ちで目を閉じた。何とも幸せそうな光景である。